大判例

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札幌高等裁判所 昭和28年(う)2号 判決

原判決が所論のように被告人は昭和二十二年五月二十一日山形地方裁判所において窃盗罪により懲役一年、三年間の執行猶予の判決を受け、次いで同年十二月六日同裁判所で窃盗罪により懲役三年に処せられ、その為前犯執行猶予を取消されて、本件当時いずれもその執行を終つたものであると認定し、刑法第五七条、第五九条を適用していることは明かである。刑法第五九条にいわゆる三犯として再犯の例により処断するには初犯と再犯及び再犯と三犯との間に各刑法第五六条の条件を備えることを必要とするは勿論初犯と三犯との間においてもまた同一の条件を具備しなくてはならないのであるが、原判示のように被告人が懲役三年に処せられた窃盗罪は、前刑の執行猶予中の犯行であることが明かである。従つて原判決が窃盗罪により懲役一年に処せられた前刑をも累犯関係にあるものとし、刑法第五七条、第五九条を適用して処断したのは法令の適用に誤があるものといわねばならない。しかし刑法第五九条を適用しても同条は三犯以上の者も再犯の例によるものと規定しているのであるから、結局同法第五七条により累犯加重することになりその所定刑期の範囲内で処断することになるのであるから右法令の適用の誤は判決に影響を及ぼさないものと認めざるを得ない。論旨は採用し得ない。

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